人形店を営む傍ら早乙女義隆の五月人形に惚れ込み、「このような美しい鎧や兜を少しでも多くのご家庭に届けたい」との思いで自ら作り手の道を志した多ヶ谷昇。早乙女義隆同様、笹間良彦氏などを師事。江戸甲冑制作を開始。
早乙女同様、平安~鎌倉時代の大鎧をモデルとしながらも独自の手法を駆使し、数々の工夫を凝らしながら、その生涯を甲冑制作一筋に捧げました。この実直な思いから誕生した多ヶ谷氏の作品が掲げる作号、それが多ヶ谷一光です。
初代多ヶ谷一光が人生をかけ産み出した伝統技術と哲学は後進へと継承され、今もなお変わらぬ製法と造形で剛健実質な甲冑を制作。
甲冑制作のこだわりは随所に。
兜の鉢は、最高の頑丈さを誇る鋼を使用。
縅糸は最高級の正絹糸。
兜の鋲も時代を思わせるために1つずつ磨きをかけている。
本革や印伝革などを使用。
大鎧の結び糸は何種類もの太さを駆使。
覆輪や鍍金、鍬形、鍬形台などの金属は輝きを放つ。
その他に多々あり。これほどのこだわりがある甲冑は「お子様のお祝いに。縁起を担ぐ。」その心が表れた逸品です。